2014/12/21

ドル円の変動幅を考察する。

一日では
東京市場で午前8時半から10時。
欧州市場で午後4時から7時。
NY市場で午後9時半から12時が相場の動く中心時間帯となります。
最も動くのは欧州の午後とNYの午前が重なる
午後9時半から12時の間になります
(全て東京時間、冬時間の場合は1時間後倒しとなります)。



ドル円の為替レートの変動幅は平均で0.992円でした。
上のグラフを見ても、平均的には小さな動きな事は明らかですが
およそ95%の日が2円未満の値動きに過ぎません。

2000年以降でドル円レートが最大に変動した一日は、2008年10月24日です。
24日のドル円レートは一時、98円台から90円台まで7円以上の円高が進みました。
2番目に変動した日は、2010年5月6日の5.95円です。
(個別理由はリンク先にて確認必要。)
2000年以前には、更に大きな変動を起こした日もありました。
1998年10月6~8日に掛けて、ドル円レートは134円台から
111.65円まで、22円超の急激な円高が起こりました。

ドル円の為替レートが大きく変動する日は、必ず何か大きな事件が起きた時で
しかも全て円高方向へと急変動しています。円安方向へ1日で3円も4円も動く確率は
ほぼ無く、必ず円高方向へです。
日米の投資家が、円キャリートレード(金利の安い円で金を借りて投資する)を
行っているのが、何かの事件をきっかけに
一気にリスク回避~円を買い戻す動きへと移る事が、その理由です。
(これが、現在では、逆になってきているので、大きく変動する時は、徐々に
円安方向へ動くように数年かけてなるだろう。円キャリー・トレードの消滅)
一日なら3−4円円高に振れることはあるが、それ以上は一日では円高になることは
少なくなると思われる。

一つ注意したいのは、この1998年の金融危機と、2008年の金融危機では
大きな事件が発生した直後ではなく、暫く経ってから最大の崩壊(円高)が起きていることです。つまり、円キャリートレードを行っている投資家が、危機が起きた直後も、暫くはポジションを保とうとする性質が読み取れます。そして、多くの投資家が暴落に絶えきれなくなり、臨界点を迎えた時に、一気に相場が崩壊して、急激な円高が起きる理由となるのです。一旦危機が落ち着いたように見えても、その後でより大きな円高が来る確率が高い事を念頭において、投資に望みたい

参照
ドル円為替レートの一日の変動幅データ(最大値・平均値など)
第9回 為替の動く時間帯はあるの?